5月12日(日)
一夜明けた三朝地方は雲ひとつ無い快晴!
「こりゃ間違いなく権現さまのご加護だね」なんてつぶやきながら、いざ三徳山へ!
まずは本堂でご住職にご祈祷をしていただきます。
ご住職によるご祈祷。
「権現さんはものすごく力の強い存在だから、製造・販売にあたっては必ずご祈祷をすること」というのが三佛寺さんとのお約束でした。
わが社の繁栄と厄除け、そして「TanaCOCORO[掌] 蔵王権現」が皆さんに愛していただけるよう、お祈りしていただきました。
そしていよいよ霊山・三徳山へ修行登山スタート!
スニーカーでは修行に適さず、金具のついた登山靴では「山という命」を傷つけてしまうので、どちらもNG。
お寺では草鞋で登ることを勧めています。
草鞋で崖のぼりなんて大丈夫か…? と若干の疑問が頭をよぎります。
さらに事故を防ぐため、三徳山では一人きりでの登山も禁止。
そして登山用のストックや杖までも持ち込むことが禁じられています。
ストイックに修行の場であることを守り続ける三佛寺さんの意志です。
三徳山は修験道の道場なので、入山するには必ずこの「輪袈裟(わげさ)」を首から提げます。
輪袈裟を手に微笑むのは三佛寺執事次長の米田良順さん。
ご住職の次男で、「鳥取牛骨ラーメン応麺団」団長でもある良順さんが、今回の修行の案内人をしてくださいました。
宿入橋という橋を渡ると、そこから「あの世」。修行者(私たち)はひと時、あの世で修行をするのです。
橋を渡ってすぐに出会う、珍しく微笑んでいる役行者さまに無事をお祈りしてから、いよいよ本番です。
山に入れば早速ひきもきらない難所のオンパレード。
初めは「山って気持ちいーねーアハハ」なんて余裕があるのですが、その内に皆無言でひたすらに歩を進めていくのです。
良順さんのお話しによれば、この「無心」こそが内なる修行で、仏教の説く「無我」へと繋がるのだそうです。
座禅を組んでも雑念ばかりが浮かんでしまいますが、これなら強制的に「無」の境地にたどりつきそうですね。
三徳山には中腹にだけ高山植物があるそうですが、正直言って植物を愛でている余裕などない…!
「修験者ってハンパないな」という思いだけが頭を支配してゆきます。
ほぼ垂直なんじゃないかと思える崖を、全身を使ってひたすらよじ登っていきます。
すれ違う参拝者の方たちと交わす挨拶もかすれ声なのは、自己と闘っているからなのです!
有名なクサリ坂。腕力の無い人はご注意!
そこらへんのアスレチックなどでは味わえないスリルです。
このクサリ坂を上りきると…
重文 文殊堂
御堂の廻り縁に座って、遠くの山々を眺める弊社代表。
酷使した心身に山の緑と空の青が沁み入ります。
さらにひと崖を登るとこちらも重文、地蔵堂。
どうですか、この御堂からの眺め!
良順さんによれば、文殊堂と地蔵堂は同じような外観ながらもその工法は全く違っているとのこと。
さらに御堂の入り口が崖側に造られており、本尊が手前から遠くの山を望むように祀られていたのだそうです。
これが何を意味するのか、今もって謎なのだとか。
山岳信仰のミステリアスさに心躍らせながら、まだまだ投入堂への道は続きます。
◆ぶらり鳥取紀行3、三徳山編Part2に続く―